蘭子が教えるインクプリンターの目詰まり解消法【CANON/brother/EPSON】
ヘッドクリーニングは最もオーソドックスなプリンターのメンテナンス方法です。インクプリンターは使っている間にほこりやインクが固まってしまい、目詰まりを起こしたり、印刷をする際に紙の文字がかすれてしまったりすることがしばしば起こります。こうした事態を解消してくれるのがヘッドクリーニングです。
ヘッドクリーニングは大量のインクを消費します。数回連続でヘッドクリーニングを行うと満杯のインクの残量がほとんどゼロに近くなってしまうほどです。通常の印刷をする時よりもはるかに多くの量が消費されてしまいます。
また、一般的にヘッドクリーニングにはメーカー推薦回数(約2回~3回)が指定されており、その回数を超えてしまうとヘッド部分を傷んで故障してしまう可能性があるため、注意が必要です。
このように、ヘッドクリーニングはインクやプリンター本体を消耗させる行為であり、ヘッド部分の消耗具合によってはプリンター本体を買い替えなければならないことを覚えておきましょう。
ヘッドクリーニング時に消費されるインクは、プリンター本体の裏側に設置されている廃液タンクに貯蔵されます。廃液タンクの中にはスポンジ状の吸収体があり、それによって印刷時やヘッドクリーニングの際に余ったインクを吸って貯蔵する仕組みです。
廃液タンクが満タンになるとエラーメッセージが表示されます。この場合プリンター本体が使用できなくなる、またはエラーメッセージを無視して使用を続けると故障する可能性が高いためお気を付けください。
廃液タンクの修理(交換)はメーカーに修理を依頼するのが一般的です。修理(交換)の費用はおよそ5,000円から10,000円となっています。ヘッド部分の傷み具合によっては、プリンター本体を買い換えたほうが良い場合もあります。
ヘッドクリーニングの代わりに、プリンターの目詰まり解消できる可能性がある裏ワザを5つご紹介します。
ただし、これらの裏ワザはプリンター本体を壊してしまう可能性がある行為です。もし裏ワザ後に問題が起きてしまっても自己責任となりますので、充分に注意したうえで行ってください。
湿度の低い場所や温度の高い場所にプリンターを置いておくとインクが蒸発・乾燥して目詰まりの原因となる場合があります。なるべく高湿低温な部屋で使用しましょう。
本体にセットしているインクを全部取り出して、本体の電源をオフにします(コンセントも抜きます)。色が出ないインクを振ってからセットし直し、その後数十分後ほど放置をしてください。再び印刷をかけてみると固まっていたインクが溶け出して、目詰まりが解消される可能性があります。
ティッシュや綿棒などに人肌程度のお湯を含ませ、しばらくヘッドのノズル部分に押し当てて詰まったインクを溶かします。またヘッド部分が取り外せる構造のプリンターなら、ヘッドを取り出してお湯につけて洗うのもひとつの手です。
エアダスターのノズル先をプリンタヘッドのインク吸入口に当てて吹き付けます。インクが固まった目詰まりにはあまり効果が期待できませんが、ホコリの混入による軽い目詰まりであれば解消されるされる可能性があります。
最も故障するリスクが低い目詰まり解消法は、プリンターのメーカーから販売されている専用の洗浄剤・洗浄カートリッジなどを使用して、内部で乾燥したインクを溶かすという方法です。
ダメ元なら試してみる価値ありかも
CanonのiP4500が壊れて黒いインクだけが出なくなってしまったのでダメ元でお湯洗浄にチャレンジ。もう寿命だし直らないだろうと思っていたので、お湯のシャワーをあてながら思いっきりジャブジャブ洗いました。洗った後は除湿器で乾燥させて、新品に見えるほどピカピカになりましたが、結局黒いインクは出ず…。黒以外のインクは印刷の発色が良くなった気がします。
ヘッドが傷つきにくい方法です
インク詰まりには何が良いのか気になって、いろいろと試してみました。お湯洗浄はヘッドを傷つけずに済んだものの、インク詰まり自体はあまり解消されませんでした。アルコールや超音波洗浄機はある程度詰まりがとれます。ただ、ヘッドそのものを傷めてしまうのであまりおすすめできません。一番ヘッドを傷つず目詰まりを解消できたのは専用の洗浄剤です。綿棒につけて簡単に清掃するだけで固まっていたインクが溶けました。
お湯で洗うだけで目詰まりが解消されたケースもありますが、その行為が故障の原因となる可能性もあります。リスクが伴うため、プリンターを買い替える前にダメ元で試してみたいという方以外にはあまりおすすめできません。目詰まりが起きた際は以下の手順を踏むのが理想です。
プリンターを長持ちさせるには、大きく分けて2つの方法があります。
廃液タンクはプリンターの寿命を大きく左右する重要なパーツであり、このタンク内のパッドを如何に長持ちさせるかがプリンターそのものの寿命に直結します。廃液タンクを長もちさせるにはヘッドクリーニングの回数を減らすことが大切。ヘッドクリーニングの回数を減らしたい方は、目詰まりしやすいインクの使用を避けましょう。
プリンター本体にかかるダメージは、プリンターを使用する場所の湿度や温度、印刷の際に使用するインクや紙によって左右されます。なるべくプリンター本体に負担をかけないよう丁寧な扱いを心がけましょう。
プリンターのメーカー保証は基本的に純正インクを使用することが前提とされています。そのため、互換インクを使用した場合は保証されないケースが多いです。
互換インクを販売している業者が保証制度を設けている場合、その保証を利用して目詰まりを解消できる可能性があります。保証内容は業者によって異なるため、互換インクを購入する前に確認しておいたほうが良いでしょう。
プリンターはスキャナーのふた・カートリッジの交換パーツ・液晶モニター・用紙のトレイなど、稼働パーツが多いため、あらゆるところからゴミやホコリが入る可能性があります。FAX付きタイプの場合、プリンター後ろの用紙セットの位置からホコリやゴミが入ることも。隙間からホコリやゴミが入ってプリンター内部にたまると、目詰まりの原因起となるので、外側だけではなく内部の掃除も定期的に行いましょう。月に1度は乾いた布でサッとホコリをとるだけでも目詰まり防止につながります。
プリンターに使われているインクは液体です。プリンターの使用頻度が少ないとインクが固まってしまいます。目詰まりを防ぐために、印刷するものがとくにない場合もプリンターの電源を入れるのがおすすめ。プリンターの電源を入れると中のインクカートリッジがスライドする機種が多く、その動きでインクが固まるのを防げる可能性があります。また久しぶりにプリンターを使用する場合は、ヘッドクリーニングをしてから印刷を行いましょう。
インクカートリッジの使用期限の目安はだいたい5年と言われています。「まだインクが残っているから勿体ない」とそのままにしていると、目詰まりや故障が起こり、最悪の場合本体買い替えとなる可能性も。カラー印刷をあまり使用しておらずインクが残っていたとしても、なるべく5年以内に新しいインクへ取り換えましょう。